僕らを篠突く 2021/09/02 16:23 Share on Facebook Copy URL Report 僕らを篠突くあの月がちょうど僕らの真上を行く頃二人が出会った あの場所で待ってるねあの月のちょうど真下 僕らは明日もう少しだけ 大人になっているあの月がちょうど僕らの真上を行く頃素敵な最後には きっとできないなあの月のちょうど真下 僕らは明日もう少しだね 見えなくなるまでしんしんと明る街 落ち逢う月と夜と僕らひとりでに繋いだ手をさらさらと伝う頬 落ち溢れる僕とあなた泣きながら笑った 「好きだよ」僕はまだ まだまだ 次のページを捲れないでいるあなたはただ ただただ 音も無くさよならを言う二人をぽた ぽたぽた 濡らした予報通りの涙あなたはただ ただただ ほら もう行かなくちゃねはらはらと音も無く 触れ合う僕らは目を瞑るんだ花唇は咲いて 紅は滲んでゆくからからと宛も無く 惑う僕の息を飲み干して泣きながら零した 「ごめんね」あの月のちょうど真下 あなたは明日もうここにはいないんだ いないんだあの月のちょうど真下 僕らはいつかねまた出逢うんだ ここで待ってるねしんしんと明る街 重なる二人の影だけがだんだんと離れてゆくさらさらと伝う頬 月明かり二人追い越して僕だけを残して あなたをさらってく影ひたひたの愛で濡らして 満たしてくれよ僕をふやかしてしまえ朝焼けに眠る街 逸れる月と夜と僕らひとりでに解いた手を 抱えて見送った 「じゃあね」泣きながら零した 「ごめんね」泣きながら笑った 「すきだよ」